組織のパワーアップを応援する総合メディア マイニングスピリット

インタビュー
プロセスマイニング
2021.04.19

有名重工業社のプロセスマイニング成功事例(3)
~働き方改革・DXへの有効性~

プロセスマイニング導入検討中の人が知っておくべきこと

―― プロセスマイニングツールの導入を検討している人のために、某重工業企業がうまくいった要因を教えていただけますか?また、導入検討中の人が知っておくべきことがあれば合わせて教えてください。

三宅さん:まず、うまくいった大きな要因は業務担当の人とツール担当の人がチームを組んで参加したことです。

自社の既存システムのを熟知した上でプロセスマイニングツールを動かせる人はもちろん必要ですが、ただツールを動かすだけでは意味がありません。データを見て、そのデータの正しさや本来あるべき姿を描ける人が必要です。

その点、某重工業企業の場合はもともと業務改善チームが組まれていたので、プロセスマイニングツールが正しく活用される環境がすでに整っていたといえます。業務改善チームの人達が、プロセスマイニングツールという武器を得て、効率的かつ確実に仕事をできるようになったイメージです。

企業の規模が大きくなればなるほど人力でのヒアリングなどによる分析はあいまいかつ時間もかかります。プロセスマイニングツールを導入してはじめてきちんと業務改善の仕事ができる体制が整いました。そして、社内のレポートの品質も格段に上がったので、業務改善をしていく上で必要な上層部への説得・説明の材料もきちんと作れるようになりました。

―― 逆にいうと、これからプロセスマイニングツールを導入するなら、業務担当者とシステム担当者の参加が必須と考えておくべきでしょうか?また、他にも参加すべき人はいないのでしょうか?

三宅さん:まず業務の実態を知っている人と既存システムを熟知している人の参加は必須です。なぜなら「業務は業務、各システムのデータはデータ」と乖離を発生させてしまうとプロセスマイニングが破綻するからです。あとはプロジェクトを推し進められるリーダーもチームにいるべきで、場合に応じて現場でより細かい指示をしているマネージャーなどの協力も得られると良いでしょう。

こういった必要な人材のいないことが、プロセスマイニングツールの有無に限らずDXや働き方改革が失敗している原因といえます。たとえば、「とにかくDXだ。ツール導入(あるいは部署設立)!あとは任せた」という方針ではDXはうまくいきません。業務の実態をデジタルデータ化ができないままプロジェクトを進行しても、デジタルにトランスフォーメーション(DX)できるはずがないからです。

したがって、まずは現状をきちんとデジタルデータ化していくのが重要になります。そのために必要な人材が参加したチームとプロセスマイニングツールが必要というわけです。

―― ツールの存在と正しく運用できる体制が重要というわけですね。ただ、プロセスマイニングツールは汎用性が高いだけに、「まず何に使おうか?」「見込める成果を説明できないと、導入の承認がおりないかも」と考える人もいそうです。その点いかがでしょうか?

三宅さんそこは弊社(HeartCore株式会社)が支援いたします。最終的に私達は「自走できる社員を生み出す体制構築」の実現などで大きくお役に立ちたいという想いがあります。しかし、まずは目先のお悩み、たとえば既存業務の問題点の可視化や単純に業務ログを取りたいといった要望をお聞きして、必要なデータの取得などを提案させていただきます。

プロセスマイニングで得られる最終的なメリットの1つ「自走する社員の誕生」
プロセスマイニングで得られる最終的なメリットの1つ「自走する社員の誕生」

また、プロセスマイニングツールの導入にあたって上層部の承認が必要でお困りなら、ROI(投資額に対してどれだけ利益を生み出しているかを見る尺度)を上げるツールだと説明いただくのが良いです。具体的には導入前後で150%くらいの差がROIに出ます。プロセスマイニングツールでデジタルプラットフォームを築いている企業とそうでない企業で、ROIに大きな差が出ると知れば上層部の方々も動きやすいはずです。

―― 改善やDXができるというよりも、最終的に経営に大きくプラスになる点を強調してプロセスマイニングツールを導入すべきと伝えるわけですか?

三宅さん:そうですね。業務改革やDXというのは最終的な企業の目的を達成するための目標や手段であって、目的ではないはずです。したがって、効率的に利益を上げたりコストカットしたりしていくには、プロセスマイニングツールが有用だと上層部に伝えいただくと承認を得やすくなります。

実際、プロセスマイニングツールというデジタルデータにできる基盤を持つメリットは企業にとって非常に大きいものです。デジタルデータ化できる基盤がなければ、ROIを上げる活動はアナログにならざるを得ません。今回紹介した某重工業企業が当初抱えていた悩みのように、時間とコストばかりかかって結局ROIを上げられないのは上層部の意図するところではないはずです。

そもそもプロセスマイニングツールがなければ、種々の施策の効果が上がったかどうかも数値で明確に判断できません。欧米で当たり前にやっていることを日本でもやるべきときがきたといえるでしょう。

―― ありがとうございました。

まとめ:DX・働き方改革にプロセスマイニングツールは必須

今回は、有名企業の成功事例からプロセスマイニングの有用性や導入時のポイントなどを紹介しました。内容を簡単にまとめると、以下のとおりです。

  • プロセスマイニングツールは国内でも実績をあげている
  • 具体的な成果としてはリードタイム40%削減や売上20%アップなど
  • がんばる社員から感謝されるほどの改善が期待できる
  • DXには業務デジタル化が必要でプロセスマイニングツールが効果的
  • ROI向上などがプロセスマイニングツールの本質

DXにしろ働き方改革にしろ、現状を具体的な数値で把握しないと的確な施策は打てず、どのくらい成果が出たかもよくわかりません。経営効率アップを見込んでDX・働き方改革をしているなら、プロセスマイニングツールが有効なのは、今回紹介した事例からも明らかです。

そして、外資系企業はもちろん国内でも成功事例が蓄積されてきているので、競合に差をつけられないためにも早めの導入を検討する必要がある状況です。

HeartCore社では、実績豊富なプロセスマイニングツール「myInvenio(マイインヴェニオ)」による業務改善を支援しています。より手軽なツールとしてタスクマイニングツール「CONTROLIO(コントローリオ)」も提供しているので、ぜひお問い合わせください。

3/3 件

カテゴリ

HeartCoreDAY2022