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2022.06.02

雇用シェアとは?メリット・デメリット、助成金などについて徹底解説

Task Mining

雇用シェアが有効そうと感じているものの詳細やデメリットが分からず、情報をまとめて見たいと思っていませんか?

新型コロナウイルスの流行とともに注目されるようになった雇用シェアですが、すでに実績を出している企業は複数あり、助成金も用意されています。そして、メリットだけでなくデメリットもあるのが現状です。

今回、デメリットの解決方法を含めて、雇用シェアについて詳しく解説していきます。最終的に上層部や出向してもらう社員への説明ができるレベルで雇用シェアについて詳しくなれるので、ぜひ参考にしてください。

雇用シェアとは?ワークシェアリングとは異なるので注意

雇用シェアは、新型コロナウイルス流行によって雇用維持が難しくなった航空業界や外食業界で取り組まれ、注目されるようになった概念です。助成金なども用意されていますが、正しく活用するには正しい理解が必要になります。たとえば、混同されがちな概念としてワークシェアリングがありますが、意味は明確に異なります。そこで、雇用シェアの意味とワークシェアリングとのちがいを解説していきます。

雇用シェアの意味

雇用シェアとは、業務量に対して人材があまっている企業が、従業員を一時的に他の企業に送ることです。一時的にせよ自社だけで雇用を維持するのが難しい企業がとる行為と言え、在籍型出向とも呼ばれています。複数の企業で従業員(≒雇用)を分けて(≒シェア)維持しているわけです。

なお、雇用シェアは従業員シェアとも呼ばれており、ワークシェアリングと混同されがちな側面もあります。しかしワークシェアリングと雇用シェアは本質的にちがうものです。意味をとりちがえていると、雇用シェアの助成金を利用する予定だったのに利用できなかったり、想定した金額未満しか受給できなかったりする恐れがあります。そこで、雇用シェアとワークシェアリングのちがいを解説していきます。

ワークシェアリングとのちがい

ワークシェアリングとは、特定の業務(ワーク)を数人で分担(シェア)することです。業務担当の従業員に対して業務量が多すぎるので複数人で分けたり、失業率の低下を目的に業務を複数人で分けたりすることがワークシェアリングに該当します。

いずれにせよ、人件費に余裕がある企業が業務を振り分けるために雇用する概念といえます。したがって、雇用シェアとワークシェアリングは本来真逆の概念です。現状の業務量に対して人が多いので出向させるのが雇用シェアなのに対し、負担や失業を減らすために業務を複数人に分けるのがワークシェアリングとおぼえておくと良いでしょう。

もっともワークシェアリングでも業績悪化時などに従業員をなんとか維持することは可能です。具体的には、厚労省が分類する4種類のワークシェアリングの内、雇用維持型(緊急避難型)を実施すると良いでしょう。また、雇用創出型は雇用シェアとの関連性が高く、雇用シェアで社員を受け入れる側の企業で実施される可能性があります。

ワークシェアリングの名称 備 考
雇用維持型(緊急避難型) 業績悪化時などに1人あたりの労働時間を短縮して雇用を維持するワークシェアリング。基本的に1社(自社)のみでおこなうので雇用シェアとは異なる。
雇用維持型(中高年対策型) 定年以上の社員に対して、短時間や少ない日数で業務をしてもらうワークシェアリング。
雇用創出型 1人あたりの労働時間を短くして、あまった業務を雇用に使うワークシェアリング。労働時間を短くした企業が新たに雇用しないなら、雇用シェアと組み合わせられる可能性がある。
多様就業対応型 短時間勤務や在宅勤務、副業・兼業といったさまざまな形での雇用をとおして、業務に多くの人を参加させるワークシェアリング。働き方改革との関連度が高い。

雇用シェアの “メリット”

雇用シェアをするメリットは複数ありますが、立場によって得られるメリットが異なります。立場は以下の3つに分けられます。

  • 社員を出向させる企業
  • 受け入れ先の企業
  • 出向する社員

雇用シェアで出向してもらう社員に説明すべきなのはもちろん、企業間で双方のメリットをきちんと共有しておくのも重要なので、各メリットの詳細を解説していきます。

社員を出向させる企業のメリット

社員を出向させる企業にとっての雇用シェアのメリットは、主に以下3つです。

  • 雇用の継続と人件費カット
  • 従業員満足度の向上
  • イメージアップ

まず、自社の社員を維持しながら人件費をカットできるのが大きなメリットになります。雇用シェアで社員を出向する企業は、一時的にせよ業績が下がっている状態です。人件費をカットして企業自体を存続させる努力はすべきですが、ビジネスモデルを回す原動力である社員を失ってしまうのは痛手です。雇用シェアで、一時的に人件費をカットしつつ、自社に社員を残せるのは大きなメリットと言えるでしょう。

また、社員のメリットとも関連しますが、社員は働き続けられるので従業員の満足度も向上します。出向の条件を明確にしておけば、一時的に出向した社員も自社に残った社員も自社への信頼度が増すことでしょう。

そして、リストラをせずに社員を維持することは、企業イメージアップにも貢献すると考えられます。必要なこととは言え、リストラは少なからず印象を悪くするリスクがあります。リストラをせずに雇用を維持した事実は、新卒・中途募集に良い影響があると考えられるわけです。

受け入れ先の企業のメリット

受け入れ先の企業の代表的なメリットは、継続雇用のリスクを負わずに必要な人材を得られることです。雇用してきた人材とは異なるバックボーンを持った人材を受け入れることは、多くの改善やイノベーションにつながる可能性があります。「転職ではアービトラージが重要」と言われるように、特定の業界では当たり前のことでも他の業界では重宝されるスキルや工夫があるからです。

出向する社員のメリット

雇用シェアで出向する社員のメリットは、継続して働けることです。継続して自社で働けるかどうかが危ぶまれる中で、働き続けられる場を用意されるメリットは大きいです。また、異業種や企業文化が異なる環境で働けることは、自身の価値の再確認や学び直しにもつながります。いずれは自社に戻るとしても、今後のキャリアにプラスになる経験が得られると考えられます。

雇用シェアの “デメリット”

雇用シェアのデメリットも立場によって異なります。そこで、社員を出向させる企業と受け入れる企業、出向する社員の立場からデメリットを解説していきましょう。

社員を出向させる企業のデメリット

雇用シェアで社員をさせる企業のデメリットは、主に以下3つとなります。

  • 手間がかかる
  • 受け入れ先企業のデメリットに振り回される社員のエンゲージメント低下
  • 社員が転職するリスクの発生

まず、新しく雇用シェアという取り組みをする以上、制度の見直しや給与計算といった手間が新たに発生します。自社と受け入れ先の企業間のギャップが少なからずあるので、出向する社員のエンゲージメントが低下する恐れもあるでしょう。

また、出向を機に自身のキャリアを見直して転職を決意する社員が出る可能性もあります。出向前に今後の予定や自社の展望を示したり、後述するデメリット解消法に取り組んだりして、エンゲージメントを下げないようにする必要があるわけです。これらも雇用シェアで発生する新たな手間と言えます。

受け入れ先の企業のデメリット

受け入れ先の企業の代表的なデメリットは以下3つです。

  • ローカルルールの存在
  • 適材適所の配置の難しさ
  • マネジメントのしにくさ

仮に業界が同じでも企業独自のローカルルールや独自の企業文化が必ずあります。多少なりとも双方働きづらいシーンが出てくるはずです。効率が下がることによって余計な労力や人件費が発生する可能性があるわけです。

また、適材適所に人材を配置するのが難しいデメリットもあります。出向してくる社員のデメリットでもありますが、必ずしもこれまでの経験やスキルを活かせるとは限りません。双方ともに不満が出る恐れがあります。

そして、ローカルルールの存在や適材適所の配置の難しさは、マネジメントがしにくいという問題にもつながります。研修などである程度改善できる可能性はありますが、一気に人材が増えるといった場合は、根本的にマネジメントの負担が増えるはずです。後述するデメリット解消法を実践する必要があります。

出向する社員のデメリット

雇用シェアで出向する社員のデメリットとしては、給与が下がる可能性と経験やスキルが活かせない可能性があることです。

自社の業績が芳しくない状況での出向になるので基本的に給与への期待はできず、場合によっては時給制になることもあるでしょう。また、受け入れ先の企業が全くの異業種である可能性もあり、労働条件や出向期間などへの確認は必須です。経験やスキルが活かせるとは限らないので、学び直しなどの機会として前向きに捉える必要があります。

雇用シェアのデメリット解消法

雇用シェアのデメリットの解消法は主に以下3つです。

  • 助成金の活用
  • プロセス・タスクマイニングツールの活用
  • 労務関係などの綿密な事前調整

それぞれ具体的に解説していきます。

助成金の活用

雇用シェアは、出向させる企業と受け入れ企業の双方に手間やコストが発生するのがデメリットの1つでした。しかし、助成金を受給できればコストを穴埋めできます。具体的な助成金としては、厚労省が創設した「産業雇用安定助成金」があげられます。他にも地方自治体で独自の支援をしている場合もあるので、確認してみるのがおすすめです。

プロセス・タスクマイニングツールの活用

プロセスマイニングツールやタスクマイニングツールを活用するのも雇用シェアのデメリットを解決する有効な手段です。簡単に説明すると、プロセス・タスクマイニングツールとは社員がいつ何をしたかを自動で収集して分析や改善ができるツールです。労働時間を明確にできるといったシンプルなことから、無駄な作業工程やベテラン社員とのちがいなども明確にできます。

マネジメントの難しさを解決したり、労働時間の実態を明確にしつつ記録もできたりするので、雇用シェアをするなら導入したいツールの1つと言えます。もちろん、自社で活用してコストをカットしたり、生産性を上げたりすることも可能です。両ツールについてより詳しくは以下の記事をご覧ください。

プロセスマイニングとは? - 生産性向上に必須の技術!理由と詳細を紹介 タスクマイニングとは? - RPA化推進に効果的な分析手法

労務関係などの綿密な事前調整

出向をいつまでにするかといったことを事前に明確にしておくのもデメリットを抑制します。関係各者はさまざまな不安を抱いているので、明確にできる箇所は事前に明確にしておくべきです。また、問題の発生や改善すべきポイントが出たら、迅速に動くのも重要です。

雇用シェアの成功事例

雇用シェアは最近注目されるようになった概念ですが、すでに成功事例は出てきています。たとえば、航空業界のANAとJALはコロナ禍をうけて雇用の継続が難しくなった客室乗務員などを家電量販店大手のノジマなどに雇用シェアで出向させています。出向した社員は持ち前のホスピタリティなどを武器に販売やコールセンターの業務で活躍しているとのことです。

また、大手居酒屋チェーンのチムニーも雇用シェアで社員を出向させて成功しています。出向先はイオングループなどで、接客や調理のスキルを活かせているとのことです。なお、外食業界の上場企業100社が、2020年11月までに1200人以上を異業種に出向させたという日経新聞の報告もあります。

まとめ

雇用シェアはデメリットもありますが、関係者全員にメリットの大きな取り組みです。いわゆるVUCAと言われる先行き不透明な時代においては、新型コロナウイルスの流行といった特殊な事情がなくても自社の業績が一時的に悪化する可能性があります。プロセスマイニングツールといったデメリットの解決手段もあるので、雇用シェアを積極的に活用したいところです。

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