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インタビュー
2019.09.12

あなたの会社に合わせた「ハートコアロボ」の導入を
―― キーパーソンインタビュー RPA事業本部 本部長 三宅立悟(後編)

RPA事業本部 本部長 三宅立悟

ハートコアの製品やサービスについて皆様により深く知っていただくための社内キーパーソンインタビュー。
前回に引き続き、RPA事業本部 本部長の三宅立悟に、成功をもたらすRPAの導入とハートコアロボ(HeartCore Robo)について聞きました。

前回の要点は次のようなことでした。

  • RPA(Robotic Process Automation)とは、PCなどの端末上で決まった手順のある定型的な仕事を人間に代わって行うアシスタント(ロボット)のこと。
  • RPAを導入し、ロボットに定型的な仕事をさせることで作業効率を大幅に向上させることができ、人間はより創造的な仕事に集中できる。
  • RPAの導入は、働き方改革につながるとともに人件費の節減に役立ち、経営上の大きなメリットがある。
  • 従来の他社製RPAは、とりわけ画像認識に弱点があり、しばしばロボットが止まりやすいという弱点があった。ハートコアロボは画像認識の課題を克服した「止まらないロボット」との優位性がある。
  • ハートコアロボの大きな特徴として、他社製品がほぼWindowsのみでの動作に対して、OSやブラウザを選ばず、かつモバイルでの動作も可能。

RPAの運用は、RPAの管理部門が行うのが理想

―― ロボットの開発や運用は情報システム部門が中心になるのですか?

会社規模がある程度規模が大きく、情報システム部門にJavaによる開発経験のある技術者を抱えている場合は、開発効率の点から情報システム部門がロボットを開発(RPAのシステム化)するのが良いでしょう。ただし、技術者は個別の業務内容に習熟しているわけではないので、RPAの対象となる業務プロセスの可視化にあたっては、業務部門の協力が不可欠になります。

ロボットの開発が完了し、運用する段階になると、情報システム、業務プロセスおよび人事管理的な要素にまたがった管理が望まれます。ロボットを複数台抱える企業では、そうした要請に応えるために、「RPA管理部門」という専門部署を作って、そこで運用・管理を進めていくのが理想です。RPA管理部門の主な役割は、RPA実行用PCの供給・管理や、作業工程を管理し不具合が起きたときに解決すること、そして新たなRPAの構築を行うことです。

ハートコアロボの強みの一つは、サーバー上でパワフルな「ロボット管理ポータル(RAP)」を提供できることです。これにより、リモートで、ダッシュボード化した画面から、ロボットの稼働状況の監視、スケジューリング、プロジェクトの統計、レポート作成などを実施できます。RPA管理担当者の基本業務の大半は、この管理ポータル上で行えます。

開発のための多角的な支援

―― ロボット開発のために、どのようなサポートを提供していますか?

ロボットの開発自体は、技術的にはそれほど難易度の高いものではありません。しかし、ハートコアロボが期待通りの役割を果たせるよう、当社は様々な支援を行います。最終的には、導入企業がロボット開発を内製化し、自力で運用可能な体制を構築することを目指しています。ロボットの開発・運用を内製化することで、業務プロセスの可視化や見直しを含む、開発のためのノウハウが自社に蓄積できるのです。

RPA事業本部 本部長 三宅立悟

弊社では、ロボット開発のために「RPAツール利用技術セミナー」を用意しており、ご要望のレベルに応じて、基礎、総合、カスタマイズの三段階の研修によってロボット技術者の育成を行い、内製化をサポートします。また、開発途中で出てきたさまざまな技術的な質問に答えられるよう、オンサイトでのスポット相談窓口を設置するサービスも行っています。

開発のための研修のみを行い、自社開発を行っていただく場合もあれば、ご要望に応じて共同開発を行うこともあります。その場合、ハートコアからRPA専門の技術者を常駐派遣して開発をお手伝いすることも可能です。

さらには、RPAの導入で最も重要な「社内理解」に向けて、RPAの利用意欲を高めるためのRPA基礎研修を実務者対象に行っています。

さまざまな企業の規模や実情に合わせた導入プラン

―― ロボット開発に人材を充てられない企業はどうしたらいいのですか?

ロボットの開発や管理を内製化できない場合でも、もちろんRPAを導入することはできます。

開発にあたっては、開発依頼をいただいた企業の業務部門との協業により、業務プロセスを可視化し、それをRPAのプロセスに落としてロボットの開発を請け負います(お任せ開発)。

RPAの運用については、管理者を配置することができなければ、前回もお話ししたように、ロボットを使った作業をアウトソースしていただく、「ロボBPO(正式名称:HeartCore DesktopロボBPO)」があります。ロボBPOは、依頼に沿った作業がきちんと完了しているかどうかをチェックした上で納品するので、定期的に一定量の業務が発生する場合にメリットを感じていただける方法です。

また、ハートコアロボは、RPA端末の遠隔管理ができるので、業務自動化をロボBPOに委ねるとしても、しっかりと運用管理ができる体制(コールセンター)が、ロボット管理ポータルをベースに社外に構築され、万が一のトラブルに対しても、すばやく状態を確認して問題解決に当たることができます。

導入の前にやること

―― 導入の準備としてやることは、どんなことですか?

RPAを導入するかどうかの判断のポイントは、RPAの導入によってどれだけ業務の効率が上がるかについて、その費用対効果を見極めることにあると思います。

図2に示したのは、RPA導入検討段階から導入・運用までの大まかな流れです。

導入前の診断から運用までのプロセス
図2.導入前の診断から運用までのプロセス

まずは、およそ2カ月かけて、RPAの導入がどのような業務に対してどの程度の成果を生むかを、きちんと診断するというプロセスを踏みます。この診断プロセスは「概念実証」、または「PoC(Proof of Concept)」と呼ばれます。

具体的には、RPAの対象となるような業務を業務部門の方に選定していただき、現在の業務手順を実際に観察したり、細かくヒアリングしたりして、その業務プロセスを徹底的に洗い出します。
その際、ツールを使って何人かの作業比較を行い、最も作業効率の良い人とそうでない人の作業の差分をとります。それが、その業務にRPAを導入した場合、どれだけの業務削減につながるかの業務量であると仮定します。その削減が可能と予想される業務量に、担当者の人件費をかければ。削減可能な費用が計算できます。

次に、開発、運用・管理の費用を投資費用として算出します。「(削減可能な費用)-(投資費用)」を(投資する費用)で割れば、投資効果(ROI)がわかります。ROIがプラスになるのであれば、導入した方が良いと判断できます。通常は運用期間が長くなればなるほど、また稼働の台数が増えれば増えるほど、効果は高まります。

概念実証による効果分析の数値をベースとして、RPA導入が決定すれば、改善案も含めた業務分析をご提案しつつ、開発・運用体制を定義した上で開発に着手します。

複雑で高度な業務もこなすRPAへ

―― いったん効果がある、とわかったらRPAの適用範囲は広がっていくのでしょうね。

その通りです。RPAはExcelなどのスプレッドシートのマクロと比較されたりしますが、できることの範囲が全く違います。Excelで管理しているデータをWebシステムに入力する、ということも使い方の一つですが、すでにお話ししたとおり、RPAでは、画面のどこをクリックしたかなどを判断し別のサイトに遷移してデータを取得して処理するなど、かなり複雑な作業がこなせます。
他にも基幹システムからデータを取り出し、請求書を作成し、その請求書をメールに添付して送信するなど、RPA以外のシステムとの連携をとることができます。 あるいは他のシステムからロボットを起動させ、ロボットが作業を終了したら別のシステムを起動するなどということも可能です。
つまり、一部の業務から始めたRPAは、適用範囲を拡大することで、会社全体の生産性をどんどん上げていくことができるのです。

ですから、この一連の作業をロボットにやらせたら楽になりそうだ、と思われる定型的な業務があれば、まずはご相談ください。可能性がありそうなら、POCにより、導入効果を確かめることで、「失敗しないRPA」につなげていけるものと思います。

―― ありがとうございました。

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