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インタビュー
2018.11.15

One to Oneマーケティング時代のコンテンツ管理とクリエイティブ制作とは
―― パートナーインタビュー 株式会社キノトロープ

代表取締役社長 生田昌弘様

ハートコアの製品やサービスの導入をお手伝いいただいているパートナー企業の皆様にお話を伺う、パートナーインタビューシリーズ。

第2回は、インターネットの時代を創生期から駆け抜けてきた株式会社キノトロープ社長、生田昌弘様にお話を伺いました。

DMPを使い、消費者にリアルタイムで働きかける

―― 御社の概要をお聞かせください。

リアルのビジネスをインターネット上で展開しようとしてもなかなかうまくいかず困っている企業を助けて、結果につなげる。単純に言うとそういうビジネスです。打ち手の提案をするコンサルテーションだけでなく、一気通貫で実際にやってみせる。だからできない提案はしない。そして、スピードが速い。強みはそこです。

キノトロープは、2018年10月で25周年を迎えました。まだ、インターネットでビジネスをするということに対する取り組みがほとんどなかった1993年にスタートしました。それまでは、雑誌の広告制作などをやっていたのですが、知り合いのところで初めてウェブページを見たときに、これはメディアだ、自分たちでメディアが作れるんだということを直感して興奮するとともに、ビジネスの可能性も感じ取りました。他社に先んじてインターネットの専用線を引くなど、当時としては思い切った投資もしながら、成果を上げてきました。

今やろうとしているのは、DMPを使い、消費者が何かをしようとしている瞬間にリアルタイムで働きかける「データ・ドリブン・ブランディング」というものです。そのブランドが何をしてくれるのか(ブランドプロミス:例えばASKULなら注文したものが明日届くといった具体的な約束)を個人に対して直接的に伝え、そのブランドとの関係作りをする試みです。
自社サイトに来てくれるお客さんにはOne to Oneのアプローチはやりやすいのだけれど、自社ブランドを知らない人がサイトに来てくれるようにすることは、皆が抱えるオンラインビジネスの課題で、そこに切り込みたいのです。

CMS導入のポイントは「型を作っておく」こと

―― CMS導入にあたって必要なことは何でしょうか。

CMSを使ってやるべきことをきちんと認識しておくことです。それは、雑誌や新聞などの編集と同じように、コンテンツを同じフォーマットで一元的に管理し、どこかを変更したら、関連箇所がすべて反映できるよう設定しておくことです。 同じフォーマットでなくてもエディターのようにページ編集をしてウェブに反映させることも可能ですが、それではページ数の多いサイトには対応しきれず、CMSの意義が損なわれます。
情報の最小単位であるエレメント、エレメントの集合体で最小の表示単位であるコンポーネント、コンポーネントを集めたテンプレートといったレイヤーに分けて設計することが求められるのです。 そのように構造化した上でCMSを使っていないために、非効率性に悩み、相談に来られる制作会社やクライアントは後を絶ちません。

執行役員 エレメント・コンポーネント・テンプレートの概要
図1. エレメント・コンポーネント・テンプレートの概要

―― コンテンツの管理方式の概念の理解が重要なのですね。

そうです。ウェブサイトのコンテンツ管理が、1対1(制作したコンテンツがそのままウェブサイトの内容になる形)ではなく、1対多(コンテンツ1カ所の変更が対応する数多くの箇所に反映される形)になっているという前提なしにCMSを導入しても効果が上がらない、ということを理解する必要があります。

同じ1対多でも、共通要素をHeartCoreの標準的機能である「@関数」や「構成要素」によって管理・変更する場合は、コンテンツ管理者のスキルレベルによっては面倒だと思われることもあります。

そこで、キノトロープはHeartCore向けオプション製品として「ブロックテンプレート」というものを開発し、1対多の管理をよりやさしく柔軟なものにして提供しています。HeartCoreのアドオンとして購入いただければ、すぐに使えるようになっています。

ちなみに、キノトロープが編集協力した『HeartCore導入・構築ガイド』では、第3章(3-5と3-6)で3つの管理方式(3つのウェブの考え方や作り方)を解説しています。

HeartCoreは動的サイトに対応できる、コストパフォーマンスの良い製品

―― ハートコアのCMSはどのような特徴を持っているとお考えですか。

HeartCoreを初めて使ったのは2010年ごろのこと。ホテルのサイト構築に利用しました。その時は、手頃な価格で動的なサイトに対応できるCMSを探していたのです。価格面で言えば、HeartCoreと同じ機能が備わった他社製品は、4倍くらいの投資が必要になります。さらに、ウェブサイトを運用し、成果を上げるということまで考えるとその倍くらいの価格差があると思います。ですから、機能と価格のバランスを考えてHeartCoreを使った方がいい、という判断をすることが多いです

他の利点としては、ブラックボックスが少ないことに加えてベンダーとのコミュニケーションが取りやすいので、自分たちで手を加えてカスタマイズしやすいということも挙げられます。キノトロープでは、管理画面を自分たちの使いやすいように変えているので、もともとの管理画面とはかなり異なったものになっています。

代表取締役社長 生田昌弘様

ただし、カスタマイズが能力次第で柔軟にできる自由度がある、という利点は技術的な負荷をウェブ制作の会社にかけることになります。言い換えれば、制作会社の能力によってウェブサイトの使い勝手の良し悪しに差が出てくるということでもあります。HeartCoreは制作会社を選ぶツール、あるいはスキルレベルが試されるツールだという側面を持っています。
逆説的に言うと、使いやすさ、使い勝手の良さという点でまだまだHeartCoreには伸びしろがあると考えています。地味ながらすぐに改良でき、効果の大きい改善点もあるので、ハートコア社にはいろいろ提言しています。

―― HeartCore導入時に課題になることと、その解決策について教えていただけますか。

制作現場で実際にHeartCoreを使って仕事をするのはエンジニアなので、テクノロジーのリテラシーも高く、CMSの利便性を活かしたコンテンツ管理の概念(1対多)の話をすれば、すぐに理解してもらえます。
にもかかわらず、HeartCoreを十分使いこなせていない場合は、エンジニアに依頼が来る前の段階で、1対1の概念に基づいた管理方式のままコンテンツの追加更新が実施されてしまっているということなのです。

CMSの機能が活かされるような設計は、初期段階でエンジニアを交えておく必要があります。同時にウェブ制作の現場責任者であるウェブディレクターがCMSについての基礎的な知識を持っているかいないかで、結果が大きく異なってくるのです。
デザイナーやライターなどのコンテンツ制作スタッフやマーケティングスタッフとエンジニアがチームとして共同でウェブ制作に携わること、そしてそれを束ねるウェブディレクターが、クリエイティブと共にCMSなどのテクノロジーの側面も理解していることが理想です。

代表取締役社長 生田昌弘様

キノトロープはクリエイティブ出身の私が、サーバの設置やルータの設定なども行い、ブランディングを勉強しながら、人材の育成や採用に関わってウェブ制作体制を作り、ビジネス上の成果をクライアントに提供してきました。
キノトロープの特徴は、社長自らがクリエイティブの勘所を見極めて、クリエイティブスタッフ、テクノロジースタッフ、マーケティングスタッフの業務バランスのかじ取りをしているところだと思っています。

ようやくメディアオリジナルのコンテンツの時代になった

―― ウェブ制作について、御社も含め今後どうなると思われますか。

スマートフォンなどを通じてOne to Oneのアプローチができるようになり、CMSなしではコンテンツの管理、出し分けができない時代になりました。

ユーザーの興味関心や商品との関わり方など、さまざまな観点に合わせて、多種多様なコンテンツが必要となってきています。

インターネットはメディアとしては後発なので、これまでは他のメディア用に作られたコンテンツを使い回すことが多く、クリエイティブの出番がなかったのです。ウェブ制作はいわば他のメディア向けコンテンツの印刷屋さん的な位置づけでした。

25年を経て、ようやくウェブでの発信にふさわしいコンテンツ制作が求められるようになったというのが私の実感です。とりわけ、スマートフォンファーストの時代には、ユーザーはスマートフォンで文字を読み、テキストを打ち、ビデオや写真を撮ってシェアするといったことを通じて世界と関わっています。
そこではプロのカメラマンが抱いている「良い写真やビデオ」の概念とデジタルネイティブの人たちがスマートフォンの画面を通して感じる「良い写真やビデオ」の概念は異なっています。読みやすい文章も、印刷メディアとは基準が違います。そうした感覚の差を乗り越えて、ブランドプロミスを伝えていくためのクリエイティブの制作はどうあるべきか試行錯誤を繰り返しているところです。

―― ありがとうございました。

企業情報

株式会社キノトロープ
創立:1993年10月
https://www.kinotrope.co.jp/
東京都渋谷区大山町45-14

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